注文住宅は贅沢?
新築戸建てをご検討中の皆様からよくお寄せいただく質問の一つに、
「注文住宅は建売住宅より高価になるのでしょうか?」というものがあります。
一般的な認識として、注文住宅は価格が高くなる傾向がありますが、
実際には建売住宅と同様の費用で建てることが可能です。
なぜ、注文住宅が高くなると誤解されがちなのでしょうか?
誤解されがちな理由はいくつかあります。
- 土地代
住宅を建築する際には、首都圏を含む多くの地域で、
土地代が建築費よりも大きなウェイトを占めることが一般的です。
一般的に、建売住宅の土地は、効率的な土地利用を図るために、
大きな区画を分割して販売されます。
その結果、建売住宅地は、通常、道路に2m接道する奥行きのある土地や、
複雑な形状の土地など、建物同士が近接する配置となります。
一方、注文住宅を検討する際には、条件の良い、
整然とした長方形の土地が選ばれる傾向があります。
これにより、建築プロジェクトの柔軟性が向上し、
お客様の要望に合わせたデザインやレイアウトが容易となります。
土地代は、地域のスーパーや駅、病院、学校などの周辺環境だけでなく、
土地の形状や接道条件、方位にも大きく影響されます。
高い資産価値を持つ土地を選ぶ場合は、土地代もそれに応じて高額になります。
注文住宅と建売住宅では、土地の性質や資産価値に相違があります。
したがって、単純な総額だけでなく、
土地の条件や将来の売却可能性を考慮することが重要です。
建売住宅や売建住宅(建築条件付住宅)を検討されている方は、
購入した土地が将来的に売りやすい土地であるかどうかも検討されるべきです。
- 設計・監理費用
悲しいことに、建築士の重要性を理解していないお客様が多いのが現状です。
例えば、「家を後悔したランキング」などでも、
「ハウスメーカー・工務店をじっくり検討しなかった」という項目が
上位にランクインしています。
なぜ、このような状況が生じるのでしょうか?
その理由を以下に整理しました。
建売住宅の場合:
建売住宅では、お客様が建築士や設計士と直接会う機会はほとんどありません。
ただし、設計図面は建築士によって作成されます。
正確には、建築士が確認・承認した図面もあります。
同じデザインや仕様の建物を複数建てることで、設計料を削減することが可能です。
このため、作業効率を上げることで費用を低減させています。
監理業務も、建売メーカーや工務店が施主となるため、最低限の監理業務を行います。
注文住宅の場合:
注文住宅でも、設計を工務店やハウスメーカーなどに依頼した場合と
設計事務所に依頼した場合で異なります。
特にハウスメーカーなど大手企業に依頼した場合、
セミオーダーの注文住宅となることが多いです。
営業マンとの打合せを通じてプランを決定することが一般的です。
しかし、実際に設計を担当している建築士と直接会う機会は少ないです。
また、形状やデザインが規格化されており、細かな変更が難しい場合もあります。
このような場合、建築士の役割は建売住宅と変わらず、
建築士は、お客様を十分にサポートできません。
一方で、設計事務所に依頼した場合は、
お客様の要望を踏まえて個別に設計を行います。
フルオーダーの注文住宅となります。
そのため、作業効率が下がり、費用は高くなりますが、
建築士は、設計段階から竣工までお客様をサポートし、
お客様の代理者としての立場で監理業務も行います。
建売住宅やセミオーダーの注文住宅と、フルオーダーの注文住宅では、
お客様と建築士や設計士との関わり方が大きく異なります。
したがって、業務内容を比較するためには、しっかりと洗い出す必要があります。
「ハウスメーカー・工務店をじっくり検討しなかった」結果は、
建築に詳しくないお客様にとっては当然の結果となります。
建築士のサポートを受けなければ、
家の設計や工事について理解することが難しいですし、
建築士の存在を知らないことから、依頼した企業への不満が生じ、
検討不足という結論に至ったのだと思います。
だから、正しくは「建築士のサポートがなく、
家のことを相談できなかった」ということが言えます。
- 入居までの期間
建売住宅は、完成した住宅を購入するため、
入居までの期間が圧倒的に短いです。
次に、セミオーダータイプの注文住宅が、
一定の仕様が決まっているため、比較的早く完成します。
一方で、フルオーダーの注文住宅は、完全なオーダーメイドのため、
完成までに時間がかかります。
ただし、急な転勤や引っ越しの場合を除いて、
理想の家を探す際には時間をかけることが重要です。
数か月にわたる物件探しや、何十か所ものモデルハウスを見学し、
理想をあきらめて購入されるなら、
じっくりと、理想の家づくりを追求して頂きたいです。
- 住宅の建築費用
一般的に、建売住宅など複数の住宅を同じ規格で一括建築することで、
一戸あたりの建築費用が抑えられます。
また、大手ハウスメーカーの住宅は、建築工程をマニュアル化しているため、
建築費用を抑えることができます。
そのため、フルオーダーの注文住宅は一般的に高額になります。
と書かれていることが多くあります。
しかし、これが全ての場合に当てはまるわけではありません。
モデルハウスやテレビCM、WEB広告などには大きな予算がかかっており、
大手メーカーの住宅価格に影響を及ぼしています。
また、照明器具やエアコン、外構工事などの別途工事もあり、
建売住宅の価格は実際の総工費ではありません。
したがって、単純な購入価格の比較は困難であり、
建築に詳しくないお客様にとっては誤解を招く可能性があります。
また、坪単価などの比較指標も、状況によっては正確な比較が難しいことがあります。
確かに、注文住宅ではお客様の希望を全て取り入れることができるため、
予算オーバーする可能性があります。
しかし、建築士がお客様をサポートすれば、
予算内に収めるための提案やアドバイスが可能です。
また、建築士が設計した図面を基に、数社に相見積を行い、
同仕様で低コストで出来る会社を見つけることも出来ます。
そのため、フルオーダーの注文住宅が必ずしも高額になるとは限りません。
- まとめ
新築戸建てを購入する際に、
注文住宅と建売住宅のどちらを選ぶか迷っている方は多いです。
注文住宅が高額だと諦めている方もいるかもしれませんが、
そのように早々に諦める必要はありません。
注文住宅と建売住宅を比較する際には、
入居時までにかかる費用やメンテナンス・ランニングコスト、
税金などにかかるコスト、家の間取りや設備、
入居したいタイミングなどを考慮すると良いでしょう。
自分の理想の家にこだわりがあり、家の素材や工法の希望がある場合には、
フルオーダー注文住宅が向いています。
一方で、早く入居したい人や家づくりに手間を多くかけたくない人には、
建売住宅が向いているでしょう。
読んで下さっている皆様には、
注文住宅への憧れや理想をお持ちだと思います。
是非、フルオーダーでの注文住宅で理想の家つくりをして頂きたいです!
家のことで悩まれている方は、お気軽にご相談ください。
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