「木造住宅は火事に弱いのでは?」と不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、実際には木造住宅にも十分な防火性能が備わっています。
以下では、その理由を基本的な知識とともにご説明します。
火災に弱い?
確かに木材は燃える素材ですが、「木造住宅は火災に弱い」という考え方は誤解です。
木材はガラスや鉄、コンクリートに比べると可燃性がありますが、
実は外からの熱に対して一定の時間、強度を保つことができます。
つまり、火災が発生してもすぐに全焼したり倒壊したりすることはなく、
家族が避難するための時間を確保できるのです。
また、消防隊が消火活動を行う時間も確保されるので、火災の被害を最小限に抑えることができます。
〇 性能の種類
木造住宅の耐火性能は、大きく次の3つに分かれます。
-
- 耐火建築物
- 準耐火建築物
- その他建築物(一般木造)
少しややこしいですが、これらの全体的な耐火性能から、
さらに床、壁、天井、柱、梁などの部位ごとの性能が決まります。
これには以下の4つの構造に分類されます。
-
- 耐火構造
- 準耐火構造
- 防火構造
- その他構造(一般木造)
また、建物の構造を形成する材料は、防火材料として次の3つに分類されます。
1. 不燃材料
2. 準不燃材料
3. 難燃材料
さらに、地域や建物の階数、床面積によって、建物全体に求められる性能が異なります。
外壁や軒裏、屋根などの部位ごとにも性能の要求があり、
キッチンなど火を使用する部屋には防火材料の使用が求められることもあります。
当然、火災報知機などの消防設備の設置も義務付けられています。
このように、木造住宅にもさまざまな防火対策が施されており、
安全に暮らせる環境が整っています。
〇 火災に対する備え方
耐火構造は、火災が終了した後も消防活動なしで建物が崩壊せず、自立し続けることが求められます。
準耐火構造は、火災中に家自体や隣接する建物からの加熱を受けても、
所定の時間主要構造部が崩壊・倒壊しない性能を持つことが求められます。
防火構造は、屋外からの延焼を防ぐことを目的としており、家の周囲で発生した火災による燃え移りを防ぎ、
30分間火災に耐える構造です。
燃えにくさで言うと「防火構造<準耐火構造<耐火構造」の順になります。
ここまで聞くと、「耐火構造にしたい」と思う方も多いかもしれませんが、
実際にはコストも高くなるため、必要最低限の要求制限で建てることが多いです。
コストバランスを考慮して、耐震性能や断熱性能とは違い、
耐火性能をそれほど重視する方は少ないように感じます。
ご不明な点がございましたら、お問い合わせください。
お問い合わせ(無料相談)